この記事は、オンライン診療を提供しているiKUiKUが、あえて自分たちのサービスのデメリットを正直に書く記事です。オンライン診療は万能ではなく、明確な限界があります。それを知らずに使うと「期待と違った」というミスマッチが起こり、知って使えば、対面医療と組み合わせた最も便利な医療の入口になります。
デメリット①:検査・処置ができない

最大の限界はここです。画面越しにできるのは問診と視診(見た目の確認)まで。次のことはできません。
- 採血・尿検査・レントゲン・超音波などの検査
- 触診・聴診・内診
- 注射・点滴・処置(傷の縫合など)
このため、「診断に検査が必要な状態」はオンラインの守備範囲外です。たとえば淋病(注射治療が必要)や梅毒(血液検査で診断)が疑わしい場合、iKUiKUでも対面の医療機関をご案内します。「なんでもオンラインで完結します」と言うサービスがあれば、むしろ警戒してください。見極めて対面につなぐのも、オンライン診療の仕事のうちです。
デメリット②:薬が届くまで時間がかかる
オンライン診療の薬は配送で届くため、「今日・今すぐ薬が必要」な状況には向きません。iKUiKUの場合は最短2営業日です。
- 向かない例:発症後48時間以内の服用が必要なインフルエンザ(タミフルの記事参照)、今日中に飲みたい緊急避妊(当日受け取りの手段がない場合)
- 向く例:継続薬の補充(ピル・AGA・睡眠薬)、再発に備えた常備薬(ヘルペス等)、急がない悩みの治療開始
対策は「切れる前に頼む」「備えとして先に持っておく」という時間設計です。
デメリット③:通信と操作に依存する
ビデオ診察は通信環境に左右されます。電波の悪い場所では診察が成立しにくく、スマホ操作が苦手な方にはハードルになります。iKUiKUはLINEだけで完結する設計にしていますが、それでも「対面で直接話すほうが安心」という感覚の方には、対面が合っています。これは優劣ではなく相性です。
デメリット④:自由診療は全額自己負担
iKUiKUを含む多くのオンライン診療サービスは自由診療(保険適用外)です。
- デメリット:同じ薬でも保険診療(3割負担)の対面より薬代が高くなる場合があります
- 裏返しのメリット:保険証が不要なため、受診記録が医療費通知に載らず、プライバシーが守られる。性の悩みなど「知られたくない受診」でこれを目的に選ぶ方も多くいます
費用を最優先するなら保険診療の対面、プライバシーと手軽さを優先するなら自由診療のオンライン、という価値観の選択です。
デメリット⑤:「診察なしで薬だけ」はできない(これは誤解)

「オンラインなら診察なしですぐ薬が買える」と誤解されがちですが、オンライン診療でも医師の診察は必須です。診察なしで処方薬を売るサイトは違法な販売形態で、偽造品のリスクが高い別物です(診察なしで薬だけもらえる?の記事参照)。「診察がある」ことは手間ではなく、オンラインと怪しい通販を分ける境界線そのものです。
向き・不向きの整理
| オンラインが向く | 対面が向く |
|---|---|
| 症状が安定している継続処方(ピル・AGA・睡眠薬など) | 検査・処置・注射が必要な状態 |
| 対面では話しにくい悩み(ED・性感染症・性の悩み) | 今日中に薬・診断が必要な急性症状 |
| 通院の時間が取れない・近くに専門外来がない | 症状が重い、急に悪化した、原因がまったく不明 |
| 再発パターンが分かっている悩みの備え | 初めての強い症状で全身の評価が必要なとき |
賢い使い分け=「入口はオンライン、必要なら対面」
デメリットを並べましたが、結論は「オンラインか対面か」の二択ではありません。迷ったらまずオンラインで相談し、検査や処置が必要と判断されたら対面へ——この順番なら、オンラインの手軽さと対面の確実さの両方を取れます。特に性の悩みのように「対面の心理的ハードルが受診そのものを止めている」領域では、オンラインという入口の存在価値は、デメリットを差し引いても大きいと考えています。
iKUiKUの診察はLINEで予約→ビデオ診察→最短2営業日・中身のわからない梱包でお届けという流れです(初めての方向けの記事・配送の仕組みの記事参照)。対面が必要なケースではその旨をはっきりお伝えします。
サービス選びの目利き|「正直なオンライン診療」の見分け方
オンライン診療サービスの質は、実は「できないことの説明ぶり」に表れます。選ぶときのチェックポイントを挙げます。
- 対面への切り分け基準を明示しているか:「この場合は対面を案内します」と書いてあるサービスは、医学的な線引きを守っている証拠です
- 医療機関名・医師名・所在地が明記されているか:運営主体が曖昧なサービスは論外です
- 診察なしの処方をうたっていないか:「問診フォームだけで発送」のような運用は、診察義務の形骸化であり危険信号です
- 副作用・リスクの説明があるか:効果だけを並べて リスクに触れないページは、医療ではなく販売の論理で動いています
- 料金の総額(薬代+診察料+送料)が事前にわかるか:決済直前まで総額が見えないサービスは避けるのが無難です
デメリットを正直に書くサービスのほうが、実際に使ったときの「期待外れ」が起こりにくい——これはオンライン診療に限らない原則ですが、体に関わるサービスでは特に重要です。
この記事のまとめ
- オンライン診療は検査・処置ができず、診断に検査が必要な状態は守備範囲外
- 薬は配送のため「今日すぐ」には不向き。継続・備えの用途と相性が良い
- 自由診療は全額自己負担だが、裏返しとして受診記録が通知に載らない
- オンラインでも診察は必須。「診察なしで薬だけ」をうたうサイトは別物(違法・危険)
- 「入口はオンライン、必要なら対面」の順番が両方の長所を活かす使い方
よくある質問
Q. オンライン診療は対面より誤診が多くないですか?
A. 画面越しの情報は対面より少ないため、オンラインでは「診断を断定できない場合は対面を案内する」のが正しい運用です。誤診リスクはサービスの姿勢に依存します。何でもオンラインで完結させようとするサービスより、対面への線引きを明示するサービスを選んでください。
Q. 初診からオンラインで大丈夫なのですか?
A. 制度上、初診からのオンライン診療は一定のルールのもとで認められています。ただし医師が「対面での診察が必要」と判断した場合は処方されないことがあり、それはデメリットではなく安全装置と捉えてください。
Q. 対面より高くつきますか?
A. ケースによります。保険がきく治療(例:保険適用のある症状)は対面の保険診療が安く、自由診療領域(ED治療・AGA・ピルなど)はもともと対面でも自費のため、オンラインとの差は小さく、通院の交通費・時間を含めるとオンラインが安くつくことも多いです。
Q. 薬が届く前に症状が悪化したらどうすればいいですか?
A. 我慢して配送を待つ必要はありません。症状が強くなった時点で、近隣の対面医療機関を受診してください。オンラインで処方済みであることと薬の名前を伝えると、重複処方を避けられます。
Q. ビデオ診察で顔を見せたくありません。
A. 診察は本人確認と状態把握のために顔を確認するのが原則です。ただし背景や場所を選ぶ必要はなく、自宅以外(車の中など)から受ける方も多くいます。プライバシーの不安は事前に相談してください。
Q. かかりつけ医がいる場合、オンラインは使わないほうがいいですか?
A. 併用できます。ただし飲み合わせの安全のため、かかりつけで処方されている薬をオンライン診療でも必ず申告してください。お薬手帳を画面で見せるだけで十分です。

